7月2日から3日にかけて政調理事会の先進地調査を実施しました。調査先は、「エコアイランド宣言」で循環型社会の構築を掲げる沖縄県宮古島市です。
宮古島市は、サトウキビや家畜排泄物等のバイオマスを活用し、バイオエタノール混合ガソリン(E3)の実車走行実験が行われるなど、バイオマスタウンとして
高い実績を残しており、エネルギーの地産地消のモデル地域ともいえます。
また、こうしたバイオマス関連施設等を観光資源としても活用するなど、環境保全の取り組みが、地域振興、農業振興などの取り組みにもなっています。
本県でも、遊休地等を活用したバイオマスエネルギー利用の推進などに取り組んでいますが、先進地での成果や課題などを検証しながら、議員団として政策提言の可能性について研究していきます。
島全体が珊瑚礁が隆起してできた雨水をとおしやすい琉球石灰岩などの地層の影響で宮古島は「非常に水の乏しい島」であった。宮古島市地下ダム資料館では、世界で初めての大型地下ダムの建設技術や構造、地下水のメカニズムを解説。生態系にあたえる影響についてはまだ検証ができていないとのことだった。
沖縄電力では、平成2年から風力発電システムの実用化を目的として七又地区に風力発電システム2機と太陽光発電モジュールの実証試験と電力貯蔵システムの実証実験も行っている。
宮古島バイオ・エコシステム研究センターではバカス、牛ふんなどのバイオマスを対象とした炭化技術の開発と、炭化を基軸とした物質循環の技術開発を推進してきており、それらのメタンガス利用による発電開発に取り組んでいる。
エタノール製造設備では宮古島産サトウキビから砂糖を精製したあとに残る搾り汁である糖蜜を発酵させ蒸留した無水バイオエタノールを製造・貯留していた。最近はバイオ燃料増産が食糧危機を招くと国際世論での論議があるが、環境省や地元・宮古島では搾りかすを使用しているので食料との競合はないと「島内循環型」を強く訴えていた。
E3燃料製造・供給設備ではサトウキビから抽出したエタノールをガソリンに3パーセント混合するE3方式を採用。実証実験を経て公用車など約300台をE3方式で走らせている。将来的には島内に走る約2万台の車をE3方式でまかない「自動車エネルギーの地産池消」をめざしている。